私たちのカラダは、毎日食べているものからできています。

食事で摂った栄養をもとに作られ、食事で摂った栄養によって健康を保っています。だからこそ、カラダに良い食べ物はどんなものか?を知ることはとても大切です。

本記事では、栄養素の中でも「ビタミン」にフォーカスを当て、ビタミンの種類にはどんなものがあるのか?毎日忙しく働くビジネスパーソンが特に積極的に摂取するべきビタミンとはなんなのか?更に、具体的に摂取したい食品や調理例まで、詳しくご紹介していきます。

食事を工夫することでカラダのコンディションを整える方法の第一弾として「たんぱく質の役割とは?たんぱく質摂取でカラダの調子を整えよう!」という記事を以前にアップしましたが、今回はその第二弾となります!

ビタミンの役割と種類

ビタミンは5大栄養素の1つであり、体の健康維持のために、非常に重要な栄養素です。

必要な量は微量ではありますが、体内で作り出すことができないため、食事から摂る必要があります。

まずはじめに、ビタミンの種類について確認します。

1)脂溶性ビタミンの種類とその役割

脂溶性ビタミンとは、油脂に溶ける性質を持つビタミンのことで、体内に貯蓄されやすい特徴があります。

一方で、過剰に摂取しすぎると健康を害する場合もあるため、摂取しすぎには注意が必要です。

脂溶性ビタミンは、以下のようなものがあり、それぞれに役割が存在します。

  • ビタミンA:皮膚や粘膜の健康を保つ / 視力の維持 / 免疫機能のサポート
  • ビタミンD:骨・歯の健康を維持する(カルシウムやリンの吸収を助ける)
  • ビタミンE:細胞を酸化ストレスから守る
  • ビタミンK:骨の健康をサポート

2)水溶性ビタミンの種類とその役割

水溶性ビタミンとは、水に溶けやすいという特徴を持つビタミンで、体内で余分な量は尿として排出されます。

そのため、過剰摂取のリスクは低いですが、逆に貯蔵することができないため、毎日の食事からしっかりと摂取する必要があります。

  • ビタミンC:抗酸化作用 / コラーゲンの生成を助ける / 免疫機能を強化する
  • ビタミンB群:エネルギーの生成 / 赤血球の生成を助ける / 神経機能の維持をサポート(ビタミンB群とは、ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンなどのこと)

体を元気に保つビタミンACE(エース)

たくさんあるビタミンの種類の中でも、特に意識して摂取するべきなのがビタミンA、ビタミンC,ビタミンEです。

これらのビタミンには「抗酸化作用」と呼ばれる役割があり、カラダの中から細胞の老化を防ぐ効果があります。

1)活性酸素の役割

ビタミンACEにはどのような働き・役割があるのかを知るために、まずは「活性酸素」について解説します。

活性酸素は、体内で酸素からエネルギーを生成する過程で発生します。

主な役割としては、体内に入った病原体を攻撃する際の感染予防、そして細胞間の情報伝達物質の調整などがあり、適度な量の活性酸素は、体に必要であり、大切な役割を果たしています。

ただ一方で、活性酸素には強い酸化作用があります。”酸化” と聞くと鉄のサビのようなものをイメージする方も多いかもしれませんが、人の細胞も酸化すると機能が低下し、病気にかかりやすくなったり、シミやたるみといった、肌の質にも大きな影響を与えてしまいます。

ただ、通常ヒトのカラダには、この酸化作用に対して体を守る「抗酸化防衛機能」が備わっているため、普通に生活しているときに発生する一定量の活性酸素からダメージを受けることはありませんが、増えすぎることで、カラダに様々な悪影響を引き起こします。

2)活性酸素が増えすぎてしまう理由

活性酸素は、下記のような “外的ストレス” によって増加してしまいます。

  • 紫外線(太陽の紫外線をたくさん浴びる)
  • 大気汚染(排気ガスや、工場からの排煙などをたくさん浴びる)
  • 喫煙(たばこの煙に含まれる有毒物質を吸い込む)
  • ストレス(肉体的・精神的ストレスを受ける)
  • 激しい運動(息が激しく切れるような運動をたくさん行う)

これらの外的ストレスを多く受けると活性酸素がたくさん発生し、過度な活性酸素は、元々カラダに備わっている抗酸化防衛機能だけではそのダメージを取り除ききれず、カラダに悪影響が及びます。

ちなみに、激しい運動ではなく「適度な運動」では、活性酸素が増えすぎることはありません。

3)抗酸化作用のある食品「ビタミンACE」を摂ろう!

多くの活性酸素が発生してカラダに悪影響が及んでしまうのを防ぐためにオススメしたいのが「抗酸化作用のある食べ物を摂ること」です。

そして、特に抗酸化作用の強い栄養素として注目されているのが「ビタミンA」「ビタミンC」「ビタミンE」、総称として「ビタミンACE(エース)」と呼ばれています。

ビタミンACEは、カラダを酸化から守ってくれる救世主のような働きをしてくれます。

  • ビタミンA:βカロテンの形で摂取すると活性酸素を中和する働きがある
  • ビタミンC:活性酸素を直接中和し、細胞を保護する働きがある
  • ビタミンE:細胞膜の脂質を保護し、酸化を防ぐ働きがある

ちなみにビタミンAとEは脂溶性ビタミンのため、摂取しすぎには注意しましょう。

痩せやすいカラダづくり目指す人必見!ビタミンB群の役割とは?

ビタミンB群は、食事で食べた栄養素をエネルギーに変えるときに大活躍しています。

ダイエットのために定期的に運動を行っていても、体内のビタミンB群が不足してしまっていると、スムーズにエネルギーを生み出すことができずに、効率よく代謝することができなくなってしまう可能性があります。

1)エネルギー代謝で大活躍のビタミンB群

ビタミンB群は、体内でエネルギーを生み出すときに働く「代謝酵素」の働きをサポートする “補酵素” として働いています。

カラダの中でエネルギーの元となるのは、糖質・たんぱく質・脂質の3つですが、すべての代謝の際にビタミンB群が働くことにより、スムーズに代謝してエネルギーが生まれています。

特にダイエットや、スタイルキープを目指している人は、脂質代謝において大きな働きをするビタミンB群に注目しましょう。

2)お互いに協力し合うビタミンB群

食品から摂ったビタミンB群は、実はそのままの形ではカラダの中で働くことができません。

カラダの中で働けるようになるためには、働ける形(=「活性型」と呼びます)に変える必要があるのですが、働ける形になるために、様々なビタミンB群がお互いに関係し合います。

例えば「葉酸」が活性型になるためには、ナイアシンやビタミンB12が必要となり、ビタミンB6はビタミンB2が必要になります。それと同時に、核酸が必要なものもあります。

全部で8種類あるビタミンB群は、一つのビタミンだけでは十分に力を発揮することができません。互いに協力することで力を発揮しているため、バランスよくビタミンB群を摂ることが大切です。

積極的に摂取したい食品と調理法の紹介

ビタミンACEとビタミンB群が多く含まれる食品と、効果的に摂取できる調理法をご紹介します。

1)ビタミンACEを多く含む食品と調理法

ビタミンAを多く含む食品は、以下の通りです。

  • にんじん
  • ほうれん草
  • かぼちゃ
  • しらす
  • プロセスチーズ

脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂ることで吸収率がアップします。ビタミンEも多く含むオリーブオイルで炒め物などにするのがオススメです。

ビタミンCを多く含む食品は、以下の通りです。

  • パプリカ
  • ピーマン
  • ブロッコリー
  • キャベツ
  • キウイフルーツ
  • 柑橘類

熱に弱い性質があるため、加熱する場合は短時間の調理にすることがポイントです。ブロッコリーは茹でるとお湯に溶け出してしまい、ビタミンCが流れ出てしまうため、レンジで蒸して食べるのがオススメです。

また、最もビタミンCを摂取しやすいのは、サラダやフルーツを生で食べることです。パプリカも薄切りにしてサラダに乗せると、彩りがキレイになって、食欲がアップするかもしれません。

最後に、ビタミンEを多く含む食品は、以下の通りです。

  • アーモンド
  • オリーブオイル
  • アボカド

こちらもビタミンA同様、油と一緒に摂るのが効果的です。小腹がすいたときはナッツをおやつ代わりにするのも良いですね。

また、オリーブオイルドレッシングを生野菜にかけて食べると、効果的にビタミンACEが摂れます。

2)ビタミンB群を多く含む食品と調理法

ビタミンB群は、下記のように様々な食品に含まれています。主食となるような食品に多く含まれているため、毎日色々なメニューを楽しみながら摂っていきましょう。

  • 豚肉
  • 豆類
  • 乳製品
  • 緑黄色野菜

ビタミンB群は、水溶性ビタミンのため、熱に弱く、水に溶け出す性質があります。そのため調理をする際は、下記3点について意識すると、より効果的にビタミンB群をカラダに取り込むことができます。

A)蒸し料理や電子レンジの活用

短時間で調理ができる調理法のため、ビタミンB群の損失を最小限に抑えることができます。

好きな野菜の上に薄切りの豚肉を乗せて、電子レンジで調理すると、手軽にビタミンB群やビタミンACEを摂ることができます。

B)スープの活用

ビタミンB群は水に溶け出す性質がありますが、溶け出した栄養素も一緒に飲むことができるスープ類はとてもオススメです。

特に「鍋料理」は、〆に雑炊などを準備すれば、溶け出した栄養素を丸ごと食べることができます。

C)炒める

肉や魚など、短時間であれば炒め調理でも大丈夫です。

弱火でじっくりではなく、強火で一気に炒めるのがポイントです。一気に炒めることで、肉類も柔らかく仕上がり美味しさもアップしますよ。

まとめ

ビタミンの役割と、ビタミンACEやビタミンB群が多く含まれる食品、更にオススメの調理法を紹介しました。

日々の生活の中でカラダは様々な刺激によって酸化されており、ダメージを受けてしまうことが多いです。

カラダのコンディションを整えるために、また肌の調子を整えるために、毎日の食事に一工夫をしてみましょう!

いつもより果物を多めにしてみる、電子レンジを活用して調理してみるなど、1つでも取り入れられることから、ぜひ実践してみてください!