キングカズこと三浦知良選手のパーソナルコーチであり、現在はサッカーセルビアA代表のコーチとして活躍する喜熨斗勝史(きのし かつひと)さんによるコラム第6弾は、東欧の国セルビアからお寄せいただきました。

今回のテーマは「1畳で出来る在宅トレーニング」。 まずは、初級・中級編をご紹介します!


喜熨斗 勝史(きのし かつひと / 1964年10月6日 生まれ)

  • 日本サッカー協会公認S級コーチ(監督・コーチ・フィジカルコーチ)

日本のサッカー指導者。東京都練馬区出身。日本体育大学、東京大学大学院修了。Jリーグでトップチームのコーチを歴任したのち、中国スーパーリーグに移籍した。2016年から、中国スーパーリーグでは唯一の日本人コーチ。語学力を活かし、グラウンドでは英語、ポルトガル語での指導もできる。


前回までの記事はこちら↓↓
Vol.1 なりたい自分を目指す Life Conditioning
Vol.2 ~トレーニング編~
Vol.3 〜トレーニングのキツさとその効果〜
Vol.4 ~トレーニングの組み合わせ~
Vol.5 ~在宅ウォーキング~

セルビアからご挨拶

ドバルダーン(セルビア語のこんにちは)。みなさん、いかがお過ごしですか。

陽気も暖かくなりましたが、まだまだマスク生活とテレワークは続きますね。制限は多いですが、前向きに、そしてアグレッシブに新しい年度を迎えましょうね。今年度は、きっと、昨年度より良くなると思います。変化を楽しんでいきましょう。

さて、私事ですが、この度、サッカー、セルビア代表チームのコーチに就任することになりました。監督に就任したストイコビッチ氏に招集された形です。

欧州の代表チームのコーチに日本人が就任することは、おそらく歴史上初めてなので、心して働きたいと思います。サムライトレーニングがどこまで通用するか楽しみです。

今日は、そんな欧州に輸出中のトレーニングの一部を紹介しますね。前回に引き続き、一畳のスペースで出来るトレーニングです。是非、楽しんでください!

一畳のスペースで出来る!体幹(コア)トレーニング

長友選手が実施していることで有名になった体幹トレーニングですが、実は、キングカズこと三浦知良選手は2004年からすでに取り入れていました。15年以上経ったいまでも、様々な形で実施しています。

場所も取らずに出来るし、何よりも器具を使わずに自分の体重のみで、負荷のコントロールができることが魅力です。

体幹トレーニングというと、身体の真ん中だけをトレーニングするように聞こえますが、やり方次第では、色々な筋肉を複合的に鍛えることができます。スポーツの競技力アップだけでなく、体幹を鍛えると無駄な動きが減るので、疲れにくい体づくりにも役立ちます。

ただし、トレーニングは続けていくことに意味があることをお忘れなく。では、始めましょう!

トレーニング①:初級編

まずは初級編から。

  • 所要時間:約15分
  • トレーニングの形:アイソメトリック(姿勢維持のトレーニング)
  • 30秒のエクササイズ6回と、30秒の休憩を組み合わせます。
  • 全部で2セット。セット間は2-3分の休憩を挟んで実施しましょう。

【SET1】腹筋の強化

まず①のエクササイズを30秒エクササイズを行って、30秒休憩、その後②のエクササイズを30秒行って、30秒休憩、を⑥まで繰り返しましょう。

①【30秒】姿勢キープ+30秒休憩

②【30秒】姿勢キープ+30秒休憩

③【30秒】姿勢キープ+30秒休憩

④【30秒】姿勢キープ+30秒休憩

⑤【30秒】2と左右の脚を変えて姿勢キープ+30秒休憩

⑥【30秒】4と左右の脚を変えて姿勢キープ+30秒休憩

【全種目共通ポイント】

  • 呼吸をしながら画像の姿勢を保ちましょう。
  • きつかったらキープを20秒にしても大丈夫です。

セット間:2~3分休憩

【SET2】背筋・肩・胸周りの筋肉強化

続いて、背中や肩、胸のトレーニングです。SET1と同様のやり方で勧めていきましょう。

①【30秒】姿勢キープ+30秒休憩

②【30秒】姿勢キープ+30秒休憩

③【30秒】姿勢キープ+30秒休憩

④【30秒】姿勢キープ+30秒休憩

⑤【30秒】3と左右方向を変えて姿勢キープ+30秒休憩

⑥【30秒】4と左右の脚を変えて姿勢キープ+30秒休憩

【全種目共通ポイント】

  • 呼吸をしながら画像の姿勢を保ちましょう。
  • きつかったらキープを20秒にしても大丈夫です。
  • どんな時でも、腹筋に力を入れて、身体をまっすぐに保ちましょう。

FINISH!!

いかがでしょうか?

初級編をやってみて、まだ余裕があった!という方や、しばらく続けてみて、少しずつ体力がついてきた!という方向けに、中級編も続けてご紹介します。

トレーニング2:中級編

初級編を行って、まだ余裕がある方はぜひ中級編も行ってみましょう!

  • 所要時間 約25分 
  • 動きのあるトレーニング
  • 30秒の動きのあるエクササイズ7回と、20秒の休憩を組み合わせます。
  • 全部で3セット。セット間は2-3分の休憩を挟んで行いましょう。

【SET1】腹筋の強化

①【30秒】上体を上げた姿勢をキープしたまま、腕を上下に動かす+20秒休憩

②【30秒】上体をひねりながら、左右の脚を入れ替える+20秒休憩

③【30秒】上体を上げ片脚ずつ、上下に脚を上げ下げ+20秒休憩

④【30秒】骨盤を上下に動かす+20秒休憩
⑤【30秒】左右入れ替え、骨盤を上下に動かす+20秒休憩

⑥【30秒】上体を上げ、手を上下に動かす+20秒休憩

⑦【30秒】両脚を揃えて曲げ伸ばし+20秒休憩


セット間:2~3分休憩

【SET2】背筋・肩・胸周りの筋肉強化

背中や肩、胸周りのエクササイズも、今回は動きをつけて行っていきます。

①【30秒】姿勢を保ったまま、片腕ずつ前に伸ばす+20秒休憩

②【30秒】姿勢を保ったまま、片脚ずつ上げる+20秒休憩

③【30秒】1と2を合わせて行う。上げる手と脚は対角(クロス)になる様に+休憩20秒

④【30秒】姿勢をキープしたまま、両足を開いたり閉じたりする+休憩20秒

⑤【30秒】姿勢を保ったまま、片腕ずつ前に伸ばす+休憩20秒

⑥【30秒】腕立て伏せ+休憩20秒

⑦【30秒】腕を伸ばした姿勢で片手片脚を交互に上げる。上げる手と脚は対角(クロス)になる様に+休憩20秒

【全種目共通ポイント】

  • 姿勢を崩さずに、腹筋と背筋を常に意識して行いましょう。

セット間:2~3分休憩

【SET3】下半身の筋肉の強化

下半身のトレーニングは、基本姿勢として、すべて肩幅に足を広げて立った姿勢から行います。

①【30秒】スクワット。立った姿勢から椅子に座るような動作を繰り返す+休憩20秒
※しゃがんだ時に膝とつま先が一直線になるように気をつけましょう。

②【30秒】ランジ。片足ずつ前に踏み出して戻す+休憩20秒

③【30秒】しゃがんだ姿勢のまま、細かくその場足踏み+休憩20秒

④【30秒】腰を落とし、片足ずつ後ろに下げて戻す+休憩20秒
※バランスを崩しやすいので注意!

⑤【30秒】しゃがんだ姿勢で前後に細かくステップを踏む。6歩前進したら6歩後退しましょう。
+休憩20秒

⑥【30秒】しゃがんだ姿勢から、左右交互に足を延ばして戻す(その際更に腰を落とせるとGood)

⑦【30秒】基本の姿勢からかかとを上げる・下げるを繰り返す


FINISH !!

中級の最後はかなり、強度が上がってきていますので、時間配分や休憩時間は体調に合わせて調整して下さい。

ワールドカップの予選では、欧州の強豪と戦います。世界のレベルを身近で体験して、いつの日か皆さんとまた、その経験をシェアしたいと思います。

来月は最終回。一畳で出来る在宅トレーニングの上級編をお届けします!是非、初級・中級のトレーニングで体幹を鍛えて待っていてくださいね。

編集後記

今までもご紹介頂いた様に、トレーニングは「組み合わせ」によってその効果を上げる事が出来る。という事なので、是非今回ご紹介した流れを参考に体を動かしてみてください。

1人で黙々と体を動かすのは気合がいりますが、今までの連載記事で喜熨斗さんからのポジティブな声掛けを読んでから行うと、いつもより少し頑張れる気がします!