国内外のサッカークラブでコーチとして活躍し、FW三浦知良選手のパーソナルコーチとしても経験豊富な喜熨斗勝史(きのし かつひと)さんのコラム第5弾は、「在宅ウォーキング」をテーマに記事をお寄せいただきました。


前回までの記事はこちら↓↓
Vol.1 なりたい自分を目指す Life Conditioning
Vol.2 ~トレーニング編~
Vol.3 〜トレーニングのキツさとその効果〜
Vol.4 ~トレーニングの組み合わせ~


こんにちは。緊急事態宣言、皆さんはどのようにお過ごしになったでしょうか。在宅ワークにも慣れて、良い生活のリズムも、作れるようになったでしょうか。前回までの連載をご覧頂いている読者の皆さんは、きっとトレーニングのチャンスを見逃さずに、アグレッシブに活動されていることでしょう。

今日は、そんな皆様に、手軽に、1畳のスペースでできる全身運動を紹介します。花粉が気になって外に出られないときや、トレーニングのために、まとまった時間が作れないときなんかに、是非、チャレンジしてみてください。きっと、心と体がリフレッシュして、仕事や趣味の効率がアップするはずです。

外に出なくても出来るウォーキング

手軽にできる有酸素運動の代表として有名なウォーキングですが、実は、外に出なくてもウォーキングはできるのです。さらに、ちょっと工夫をすれば、外で歩くのよりも効果が上がる場合もあるのです。是非、試してみてください。

実施のポイントは、1回5分以上の運動を複数回繰り返すことです。最近の研究では、20分歩くのと5分を4回歩くのでは、その効果はほとんど変わらないという結果が出ています。しかし、5分以下の運動を繰り返しても効果はあまり出なかったそうです。つまり、5分以上(できれば6分以上)の運動を繰り返すことが重要なのです。以下に、自宅で出来るウォーキングのレシピを紹介します、色々工夫して楽しんでください。

準備するもの

  1. メトロノームまたはスマホ(メトロノームアプリをインストールしたもの)
  2. お好みでテレビやビデオ

やり方

  1. メトロノームを1分間に100回のペースにセットします。
  2. メトロノームに合わせて2分間、元気にステップを踏みます。
    手をしっかり振って、腿をしっかりあげましょう。
  3. 2分経ったら、今度は1分間に110回のペースにセットします。同じように元気よくステップを踏みましょう。
  4. さらに2分経ったら、最後は120回までペースを上げます。テレビやビデオを見ながらやれば、あっという間に合計6分が過ぎるはずです。
  5. 終わったら、心拍数を測りましょう。年齢にもよりますが、1分間に100以上になっていれば、効果ありです。2分休んで2セット目に入りましょう。

バリエーション

  1. 慣れてきたらペースをあげましょう。110からスタートして、ラストは140くらいまで上げられます。ただ、その場走りになってしまうと、その場で行うには適していません。あくまで歩き動作が保てる速度でお願いします。
  2. その場でステップを踏むだけでなく、前後左右に動きましょう。タイミングを取りながら、前後左右に動くことで、神経系を刺激することになり、効果が上がります。大きく動くことはないので、1m四方の範囲で動きましょう。リズミカルに動くことで、楽しくなります。
  3. たまに、ストップしてみましょう。タイミングを取って、片足立ちの状態でストップしてみてください。止まっている時間は2秒で大丈夫です。膝を曲げて、大腿部と臀部に刺激を入れましょう。バランスをとることで、神経系と筋力のトレーニングを同時にできるのです。

注意点

  1. 必ず滑らないような床でやりましょう。その場ステップなので、よっぽどのことがない限り、転倒することは無いと思いますが、滑りやすい床面や、ぶつかってしまうものがあるところでは、実施しないでください。
  2. 必ず心拍数を計りましょう。せっかくのトレーニングなので、効果を確かめながら実施しましょう。100回/1分以上に上がっていれば効果ありです。もちろん120、130を目指しても構いませんが、あまり激しくなると、近所?の迷惑になりますよ(笑)
  3. 1回6分を何セットか繰り返しましょう。テレビやビデオを見ながら楽しく、リズミカルに実施してください。6分1回でも、やらないよりは「マシ」ですが、やはり、12分以上が望ましいでしょう。休憩を挟んで、実施してみてください。

さて、いかがでしたでしょうか。花粉が飛んでいたり、雨が降っていたりしても、これなら楽しく自宅でウォーキングできますね。メトロノームアプリは無料のものがたくさんあります。リズムよく、元気にステップしてみてください。休憩も含めて15分あれば、ちょっとしたウォーキング効果が得られます。次回は、さらにステップアップした、体幹トレーニングを紹介します。キングカズやJリーガーもやっているトレーニングです。お楽しみに。

(編集後記)
自宅で出来て更にその場ステップであれば、明日からすぐにでも始められそうですよね! 私も早速メトロノームアプリをダウンロードして、在宅ウォーキングでコンディションアップを目指したいと思います。


喜熨斗勝史

喜熨斗 勝史(きのし かつひと 1964年10月6日 生まれ )
日本のサッカー指導者。日本サッカー協会公認S級コーチ(監督・コーチ・フィジカルコーチ)。東京都練馬区出身。日本体育大学、東京大学大学院修了。
Jリーグでトップチームのコーチを歴任したのち、中国スーパーリーグに移籍した。2016年から、中国スーパーリーグでは唯一の日本人コーチ。語学力を活かし、グラウンドでは英語、ポルトガル語での指導もできる。