コロナウイルス感染拡大による新たな働き方に加え、ワークライフバランスやダイバーシティの推進など、今、社会のあり方が大きく変化しています。
これまで重要視されてきたビジネススキルだけでは、対応の難しさを感じることもあるのではないでしょうか。
今回は、変化を続ける時代に身に付けておきたいビジネスの10の能力について紹介します。
傾聴力
相手の話を聞くことは、仕事をする上で基本的なことです。傾聴力は、事実を「聞く」だけでなく、相手の意図や背景などを理解するために踏み込んだ「聴く」力が必要になります。そのためには、単に相手の言葉を理解するだけでなく、相手が心を開いて話しやすい関係や環境を作っていくことも重要です。
大切なのは、あなたが興味を持って真剣に話を聴いていることが相手に伝わること。それにより、あなたに対する信頼度が高まり、「話したい」という思いが強まります。相手の話に相槌を打ち、重要な部分やわかりにくいことは適宜確認します。また、自分の考えがあったとしても、相手の話を遮らないようにしましょう。
円滑なコミュニケーションを構築するために、とても大切なスキルになります。
共感力
共感力とは、相手の立場になって考えられる力です。部下を持つ上司、クライアントに対し提案をする営業担当者、顧客対応をするコールセンターのメンバーなど、さまざまな場面で必要とされます。共感力を持つことで、信頼関係を築き、よりよいコミュニケーションをとることができるようになります。
「あなたの気持ちはわかる」と寄り添う気持ちを言葉にするほか、「バックトラッキング」といって、相手の言葉を繰り返すだけでも、相手は安心感を得ることができます。
もちろん相手の考えに同意できないと感じることもあるでしょう。そんな時は相手の立場になって考え、相手を理解しようとする姿勢が大切です。
感謝力
ビジネスでもプライベートでも、相手に感謝を伝えることはとても大切です。特にコロナ禍により、オンラインでのコミュニケーションが増え、何気なく言っていた「ありがとう」が伝わりにくくなっています。
そんな時代だからこそ、あえて積極的に「ありがとう」を伝えるようにしましょう。お礼を言われてうれしくない人はいません。お礼の言葉を伝えるたった1本のメールが、その後のビジネスに大きな影響を与える可能性があります。
タイムマネジメント力
タイムマネジメントとは、時間管理術のことです。最近は、仕事と家事・育児の両立、社外の活動、スキルアップの勉強など、多忙な生活をしている人が少なくありません。そんな人にとって悩ましいのが限られた時間で、どう成果を上げるかではないでしょうか。
多くの課題をこなすためには、がむしゃらに取り組むよりも、より効率よくこなすための段取りが欠かせません。優先順位をつける、いつまでにやるのか達成目標を立てるなど、作業の効率化を図るなど工夫をしましょう。
マルチタスク力
仕事でマルチタスクが必要になる場面は、しばしばあります。しかし、「マルチタスクは苦手」という人は、多いようです。実は、人間の脳はマルチタスクには向いていないと言われています。
無理にマルチタスクにすると、失敗したり、大切なことを失念してしまったりと、あまりいい結果につながらないかもしれません。ToDoリストを使うことや、キャパオーバーになりそうなときは、早めにチームの仲間に助けを求めたりしながら、上手く乗り切りましょう。
問題解決能力
問題解決能力は、起こっている問題を適切に解決へ導くスキルです。大切なのは、問題の表面化している部分だけでなく、根本的な原因を探り、根底から解決すること。それにより、再び同じ問題が生じることを未然に防ぎ、深刻化する前に対処することができるようになります。
また、常に情報のアンテナを張り、俯瞰して状況を認識する目線を持つことで、表面化する前の潜在的な問題に気づくことが可能になります。
思いやり力
ビジネスでもプライベートでも、「マナー」と呼ばれるものは、相手に対する「思いやり」がベースになっていることが多くあります。
例えば、区別することなく、誰に対しても優しく丁寧に対応することは、ビジネスのマナーでは基本と言えるでしょう。その根幹には、相手を敬う気持ちや思いやりの心があります。周りの人は、相手を尊重するあなたを見て好感を持ち、同じように丁寧に思いやりを持って接してくるようになるでしょう。やがて職場や仕事の関係者の間で思いやりのポジティブサイクルが回り出します。
人との関係が希薄になりがちな昨今、とても大切な能力と言えるでしょう。
チームワーク力
テレワークなどで、個人で仕事をする場面が増加している一方で、求められるようになったのがチームワークです。チームで一人では難しいことでも、チームとしてお互いに補い合うことで可能になることがたくさんあります。また、働き方の多様化により、チーム内で仕事をフォローし合える関係が重要視されるようになりました。
メンタル面でもチームは大きな意味を持ちます。「仲間」がいることは、心強さと共にお互いに刺激となり、モチベーションの向上や視野を広げることにもつながるのです。
個々で仕事をする場面が多い時代だからこそ、チームワークを意識して仕事をすすめるようにしましょう。
リスクマネジメント力
コロナウイルス感染症の流行により社会が一変したのは、記憶に新しいところです。自分や家族の体調不良など、急な出来事はいつ起こるかは誰にもわかりません。また、為替相場の変動や世界情勢の変化、自然災害など、企業としてもリスクが高まっていると言えるでしょう。多様化するリスクに対し、個人としても企業人としても、対策をとることは欠かせません。いつ何が起こっても慌てないように、さまざまなリスクを想定し、対策を練っておくことは不可欠です。
個人的な対策としては、業務の見える化や進捗状況の共有などのリスクヘッジをしておきましょう。「備えあれば憂いなし」は、仕事のさまざまな場面で当てはまるはずです。
想像力
これまで紹介した9つのスキルのベースとなっているのは、「想像力」です。変化の時代にもっとも大切なスキルになります。
相手の立場になって想像してみる。先のことを想像してみる。リスクを考えてみる。目に見えないことを想像する力を養いましょう。9つのスキルを意識することで、想像力も育っていくはずです。
一つひとつの力を意識して行動することは、決して難しいものではありません。ぜひ、新しい時代に柔軟に対応できる10の能力を実践してみてください。