国内外のサッカークラブで指導経験を積み、キングカズこと三浦知良選手のパーソナルコーチとしても長年にわたり活躍してきた、喜熨斗勝史(きのし かつひと)さんによるコラムシリーズ。
第5弾となる今回は、「在宅ワーク中のウォーキング」に焦点を当て、自宅でも取り入れられる歩行習慣の大切さについて寄稿いただきました。

喜熨斗 勝史(きのし かつひと / 1964年10月6日 生まれ)
- 日本サッカー協会公認S級コーチ(監督・コーチ・フィジカルコーチ)
日本のサッカー指導者。東京都練馬区出身。日本体育大学、東京大学大学院修了。Jリーグでトップチームのコーチを歴任したのち、中国スーパーリーグに移籍した。2016年から、中国スーパーリーグでは唯一の日本人コーチ。語学力を活かし、グラウンドでは英語、ポルトガル語での指導もできる。
▼ 前回までの記事はこちら ▼
Vol.1:なりたい自分を目指す Life Conditioning
Vol.2:なりたい自分を目指す Life Conditioning ~トレーニング編~
Vol.3:なりたい自分を目指す Life Conditioning 〜トレーニングのキツさとその効果〜
Vol.4:なりたい自分を目指す Life Conditioning ~トレーニングの組み合わせ~
こんにちは。緊急事態宣言、皆さんはどのようにお過ごしになったでしょうか。在宅ワークにも慣れて、良い生活のリズムも、作れるようになったでしょうか。
前回までの連載をご覧頂いている読者の皆さんは、きっとトレーニングのチャンスを見逃さずに、アグレッシブに活動されていることでしょう。
今日は、そんな皆様に、手軽に、1畳のスペースでできる全身運動を紹介します。
花粉が気になって外に出られないときや、トレーニングのためにまとまった時間が作れないときなんかに、是非、チャレンジしてみてください。きっと、心と体がリフレッシュして、仕事や趣味の効率がアップするはずです。
外に出なくても「室内で出来るウォーキング」

手軽にできる有酸素運動の代表として有名な「ウォーキング」ですが、実は、外に出なくてもウォーキングはできるのです。
さらに、ちょっと工夫をすれば、外で歩くよりも効果が上がる場合もあります。是非、試してみてください。
実施のポイントは「1回5分以上の運動」を「複数回」繰り返すことです。
最近の研究では、20分歩くのと、5分を4回歩くのでは、その効果はほとんど変わらないという結果が出ています。しかし、5分以下の運動を繰り返しても効果はあまり出なかったそうです。
つまり、5分以上(できれば6分以上)の運動を繰り返すことが重要なのです。
以下に、自宅で出来るウォーキング=在宅ウォーキングのレシピを紹介します、色々工夫して楽しんでみてください。
1)準備するもの
- メトロノームまたはスマホ(メトロノームアプリをインストールしたもの)
- お好みでテレビやビデオ
2)在宅ウォーキングのやり方
- メトロノームを「1分間に100回(=100bpm)」のペースにセットします。
- メトロノームに合わせて2分間、元気にステップを踏みます。腕をしっかり振って、ももをしっかりあげましょう。
- 2分経ったら、今度は「1分間に110回(=110bpm)」のペースにセットします。同じように、元気よくステップを踏みましょう。
- さらに2分経ったら、最後は「120回(=120bpm)」までペースを上げます。テレビやビデオを見ながら行えば、あっという間に合計6分が過ぎるはずです。
- 終わったら、心拍数を測りましょう。年齢にもよりますが、「1分間で100以上」になっていれば、効果ありです。なっていなければ強度が低すぎるので、ペースを更に上げましょう。2分休んで、2セット目に入りましょう。
3)バリエーション
- 慣れてきたらペースをあげましょう。110からスタートして、ラストは140くらいまで上げられます。ただ、その場走りになってしまうと、その場で行うには適していません。あくまで歩き動作が保てる速度でお願いします。
- その場でステップを踏むだけでなく、前後左右に動きましょう。タイミングを取りながら、前後左右に動くことで、神経系を刺激することになり、効果が上がります。大きく動くことはないので、1m四方の範囲で動きましょう。リズミカルに動くことで、楽しくなります。
- たまに、ストップしてみましょう。タイミングを取って、片足立ちの状態でストップしてみてください。止まっている時間は2秒で大丈夫です。膝を曲げて、大腿部と臀部に刺激を入れましょう。バランスをとることで、神経系と筋力のトレーニングを同時にできるのです。
4)注意点
- 必ず、滑らない床でやりましょう。その場ステップなので、よっぽどのことがない限り、転倒することは無いと思いますが、滑りやすい床面や、ぶつかってしまうものがあるところでは、実施しないでください。
- 必ず心拍数を計りましょう。せっかくのトレーニングなので、効果を確かめながら実施しましょう。「100回/分」以上であれば効果ありです。もちろん120、130を目指しても構いませんが、あまり激しくなると、近所?の迷惑になりますよ(笑)
- 1回6分を何セットか繰り返しましょう。テレビやビデオを見ながら楽しく、リズミカルに実施してください。6分間の1回のみでも、やらないよりはマシですが、やはり、12分以上行うのが望ましいでしょう。休憩を挟んで、実施してみてください。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。花粉が飛んでいたり、雨が降っていたりしても、これなら楽しく自宅でウォーキングができますね。
メトロノームアプリは無料のものがたくさんあります。リズムよく、元気にステップしてみてください。休憩も含めて15分あれば、ちょっとしたウォーキング効果が得られます。
次回は、さらにステップアップした「体幹トレーニング」を紹介します。キングカズやJリーガーもやっているトレーニングです。お楽しみに。
編集後記
自宅で出来て更にその場ステップであれば、明日からすぐにでも始められそうですよね!
私も早速メトロノームアプリをダウンロードして、在宅ウォーキングでコンディションアップを目指したいと思います。
カズのコーチが語る “続く運動” のヒントとは?


「運動が大事なのはわかっている。でも、続かない。」
そんな声に向き合ってきたのが、プロサッカーコーチの喜熨斗勝史(きのし かつひと)氏。
三浦知良選手のパーソナルコーチとして30年以上にわたり、
トップアスリートの“継続力”を支えてきた専門家です。
喜熨斗氏が提供する企業向け運動セミナー「運動習慣で人生を変える」では、
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