在宅勤務やリモートワークがすっかり定着し、1日中自宅から出ないというビジネスパーソンも多くなってきました。

ずっと座りっぱなしで仕事をしていると、運動を少しはやったほうが良いよなとは思いつつ、なかなかやる気が起きない、という人は多いのではないでしょうか。

また、いざ「運動を始めよう!」と思っても、どんな運動をすれば良いのかわからない、という人も多いかと思います。

スポーツ庁から発表されている「令和3年度体力・運動能力調査1」の結果を見ると、第1期スポーツ基本計画が策定された平成24年と比較して令和3年は、全体的としては横ばい、もしくは上昇傾向が見られました。

しかし、世代・性別別に見ると、40〜54歳の女性は下降傾向が見られ、特に40歳代前半の女性は平成24年から下降を続けています。

更に、全身の筋力と相関がある握力は、30〜40歳代男女ともに低い水準にあることが報告されています。

仕事もプライベートも忙しい世代であり、なかなか運動するための時間を作ることは難しいかもしれません。ですが、運動不足は肥満や生活習慣病を招くほか、仕事の生産性が低下したり、精神疾患のリスクを高めることもわかっています。

そこでおすすめしたいのが、運動や休養、身体のコンディションをプロデュースする様々な分野の専門家たちが協力して作られた、デスクワーカー・テレワーカーのための体操「テレワーク体操」です。

たった「4分20秒」の体操の中に「14種類」もの多種多様な動きが含まれており、この体操を行うだけで運動不足解消から疲労回復、凝り改善、モチベーションアップも期待できます。

本記事では、なぜこのテレワーク体操が在宅勤務中の運動に効果的なのか、具体的な効果の3つのポイントをお伝えします。様々な良い効果を知った上で体操を行うことで、よりその効果を享受することができますよ。

リラックスウォークとウキウキウォークで「疲労回復」

Let’s enjoy宣言から始まり、次に行うのがリラックスウォークとウキウキウォークです。

その場でももをしっかり上げて歩くリラックスウォークと、腕の動きに変化を加えたウキウキウォークは、簡単な動作ではありますが、全身のあらゆる関節を動かすことができます。

痛みや無理がなければ、しっかりと胸に膝を引き付けてももを高く上げたり、腕をより大きくふることができると、多くの筋肉をしっかりと伸び縮みさせることができ、血行が良くなっていきます。

脳や身体の疲労を回復させるために重要なのが「血行を促進すること」です。

身体にたまった老廃物や疲労物質は、血液に乗って移動し、汗や尿になって排出されます。つまり、血行を良くして代謝を高め、老廃物の排出を促進させることで疲労回復につながっていきます。

疲れたな、身体がだるいな、重いなと感じたときこそ、このテレワーク体操を行って血行を促進させましょう。

空手スローストレッチで「脳をクールダウン」

パソコンを長時間使い続けると、パソコンが熱くなって動作が悪くなることがありますよね?

人間の脳も同じで、長い時間ずっと脳を使い続けていると、熱を持って働きが悪くなることがあります。

テレワーク体操の中盤で登場する「空手スローストレッチ」では、もし鼻詰まり等がなければ、ぜひ鼻で呼吸をすることを意識してみましょう。

鼻から息を吸い込むと、鼻腔に空気が入ります。鼻腔は脳のそばにあるため、冷たい空気(酸素)が入ることで、物理的に脳のクールダウンを行うことが可能になります。

飛んでけコンドル&南国ゴルフからのハンマーど〜ん!で「やる気スイッチをON」に

この2つの動きは、一人でやっていても「ちょっと恥ずかしい」と思ってしまう動きかもしれませんが、実はそれも意図的に入れた動きとなっており、大切なポイントになっています。

(恥ずかしいな)と感じたとき、ちょっとだけ顔が「ニヤッ」としてしまいませんか?そんなちょっとした笑顔でも、抗ストレスホルモンであるセロトニン(=幸せホルモン)が分泌されます。

セロトニンの分泌によって楽しい気分となり、やる気もアップし、自律神経も整う効果が期待できます。

この2つの動きのときだけではなく、テレワーク体操を笑顔で楽しみながら行うことで、たくさんセロトニンを分泌させてその後の仕事のやる気を高めていきましょう。

最後の決めポーズで「脳力を高める」

「胸を張った決めポーズ(ガッツポーズ)」をとることで、男性ホルモンとも呼ばれる「テストステロン」が増加し、ストレスを感じたときに分泌される「コルチゾール」が低下することがわかっています2

ガッツポーズとは逆の「背中を丸めた猫背姿勢」は、ちょっとしたストレスがかかるだけで体と心が弱まってしまい、決断力が鈍ることも報告されています。

テレワーク体操は、最後の決めポーズまでしっかり行いましょう。胸を張って姿勢を良くし、グッと全身に力を入れてガッツポーズをとることで、やる気アップに、加えて、決断力・判断力といった脳力の向上にもつながります。

まとめ

なかなか運動するまとまった時間がとれないという方、在宅勤務が多くて外に出る機会があまりないといった方はぜひ、仕事を始める前や仕事の合間に、動画を見ながらテレワーク体操をやってみてはいかがでしょうか?

たった4分20秒!運動の専門家が、この4分ちょっとの中に、様々な動きや効果をギュッと詰め込んだ究極のスッキリ体操となっております。

ぜひまず一回、ダマされたと思って、動画を見ながら真似して動いてみてください。

テレワーク体操をより効果的に行うためのポイント解説動画

このテレワーク体操をより効果的に行うためのポイントを解説している動画があります。

本記事でもたくさんポイントをお伝えしましたが、動画でも見てみたい!という方は、ぜひこちらもご覧いただければと思います。

参考文献

  1. 令和3年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について:スポーツ庁. スポーツ庁ホームページ. Accessed May 23, 2023. https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/chousa04/tairyoku/kekka/k_detail/1421920_00005.htm
  2. 『最高のデスクワーク』(猪俣武範 クロスメディア・パブリッシング)

ワークコンディショニング ティップスでは、このテレワーク体操を活用したオンライン・オフラインのレッスンはもちろんのこと、企業様向けに各職業に適したオリジナル体操の制作も承ります。
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