朝から夜まで1日中デスクワークをしていると、首や肩が凝ってきて、仕事が集中できなくなる方は多いと思います。肩が重だるくなったり、首が痛くなったり、ひどいと頭が痛くなるという方もいるのではないでしょうか。
そんな時、あなたはどうしますか?
大きく伸びをしてみたり、ちょっと肩を回したり、自分の手で揉んで、同僚や友人、家族の方に揉んでもらう方もいるかもしれません。でも、確かにその時はラクになりますが、少し時間が経つとまたすぐ肩こりは戻ってきてしまいませんか?
実は、肩の凝りや身体の凝りをしっかりほぐすには、3つのステップを踏む必要があります。
それが、「ほぐして」「伸ばして」「活性化させる」の3つ。どれか1つだけをやっても、その後数十分〜数時間は多少ラクには感じるものの、すぐに凝りは戻ってきてしまいます。
大切なのは「3つすべてを順番に行う」ということです。
今回は、肩こりを解消するために、この「ほぐす」「伸ばす」「活性化させる」の3つを具体的にどのように行えば良いのかをお伝えします。
1)ほぐす
筋肉が凝り固まった状態のままストレッチをしても、なかなかうまく伸びてくれません。同じく、筋肉が固い状態のまま筋トレや運動を行うと、効率的に筋肉を鍛えることができず、怪我のリスクが上がってしまいます。
まずは、固まってしまった筋肉を「ほぐす」ことから始めましょう。
マッサージ屋さんに行ってほぐしてもらうのも良いのですが、肩こりは普段の姿勢の悪さが原因で起こることが多いため、できれば毎日ほぐしたいです。
時間が空いた時にパッとほぐすことができるように、テニスボールや野球ボールといったボールを使って、肩周りをセルフでほぐしていきます。
肩こりに対してほぐすべき部位はズバリ「首・肩上後部」と「胸上部」です。

「首〜肩上後部」は、ボールと壁を使ってほぐします(上左画像参照)。
壁と肩・背中でボールを挟んだら、身体を上手に動かしてボールを首〜肩の上部あたりに持っていきます。壁に軽く体重をかけながら、ボールで小さい円を描くようにして筋肉をほぐしていきます。
左右30秒〜1分ほどずつ行いましょう。
続いて「胸」もほぐします。
1日中デスクワークをされている方のほとんどは、猫背のような姿勢になって肩が前に出ています。その姿勢では、胸の筋肉は常に短くなっているため、長時間同じ姿勢でいると、胸の筋肉は固まってしまいます。
胸は、ボールと分厚い本や硬めの箱を使ってほぐします。上右画像ではボールとヨガブロックを使用しています。ボールを軽く胸に押し付けるようにしながら、小さい円を描くようにして筋肉の凝りをとっていきます。
こちらも左右30秒〜1分ほど行います。
2)伸ばす
筋肉をほぐした状態で「伸ばす」を行うと、筋肉はより伸びやすい状態になっているため、効果的なストレッチを行うことができます。ストレッチを行って短くなった筋肉を元の長さに戻してあげることで、姿勢は整い、凝りが解消されていきます。

2つのストレッチはどちらとも、立った状態もしくは座った状態で行います。
背中をストレッチする際は、両手を組んで胸の前に持ってきます。その状態から、組んだ両手を胸から離していきながら、背中を丸めていきます。両手を向こう側から誰かに引っ張られているようなイメージで行い、先ほどボールでほぐした首・肩上部・背中を伸ばしていきます(上左画像参照)。
呼吸は止めないようにし、吐く時間を吸う時間よりも長くすることで、よりリラックス状態を生み出すことができ、効果的なストレッチとなります。
胸を伸ばす際は、背中のストレッチとは逆に、組んだ両手を腰の後ろに持っていきます。
痛みが出ない範囲で、無理はせずにゆっくりと組んだ両手を上に持ち上げ、胸を張っていきます(上右画像参照)。
こちらも呼吸は止めないようにしながら、リラックスした状態で気持ちよく伸ばしましょう。
どちらのストレッチも30秒〜1分ほど行います。
3)活性化させる
最後に行うのが「活性化させる」です。
これは簡単に言うと「筋肉を使う」ということ。ほぐして伸ばした筋肉を動かして収縮させることで、血流が良くなり、新しい酸素や栄養素がその部位に運ばれてきて、老廃物を取り除いてくれます。
固まっていた筋肉がほぐれて、ストレッチをすることで筋肉の長さが元の状態に戻り、最後にその筋肉を使うことで、フレッシュな状態に戻るのです。

「アームスウィープ」は、胸をしっかりと開きながら、肩を大きく回すエクササイズです。
肩・肩甲骨周りの筋肉たちが活性化されます。横向きに寝て、両脚の股関節と膝を90度に曲げて下半身を固定します。その状態から、肘を伸ばした状態で、大きい円を描くように腕を回します(上画像参照)。胸も大きく開きます。呼吸を止めないように行いましょう。
左右5〜8回ずつ回します。

もう1つの活性化エクササイズが「ソーラシックローテーション」です。
肩・肩甲骨・背中の筋肉を活性化させます。四つ這いの状態から、片手を頭の後ろに当てます。まずは背中を丸めるようにして、肘を支えているもう一方の手に向かって動かします(上左画像参照)。
そこから、肩甲骨や背中の筋肉を使って、肘を天井側に持ち上げます(上右画像参照)。肘を大きく動かすことを意識すると、より筋肉が活性化されます。
左右8回ずつ行いましょう。
まとめ
このように「ほぐす」「伸ばす」「活性させる」の3ステップを順番に行うことで、筋肉は元の状態に戻っていき、姿勢は整って、凝りがほぐれていきます。
朝起きた時でも、お風呂上がりや寝る前でも、できる方は仕事の休憩中でも、毎日5〜10分ほどの時間をとって、ぜひ3ステップを行ってみてください。毎日少しでも行うことで、徐々に筋肉の状態が良くなり、凝りにくい筋肉になっていきますよ。