朝から夜まで1日中デスクワークをしていると、首や肩が凝ってきて仕事に集中できなくなる、と感じる方は多いと思います。
肩が重だるくなったり、首が痛くなったり、ひどいと頭が痛くなるという方もいるのではないでしょうか。
そんな時、あなたはどう対処しますか?
大きく伸びをしてみたり、ちょっと肩を回したり、自分の手で揉んでみたり、同僚や友人、家族の方に揉んでもらう方もいるかもしれません。
確かにその時はラクになるかもしれませんが、少し時間が経つとまたすぐ肩こりは戻ってきてしまいませんか?
実は、肩の凝りや身体の凝りをしっかりほぐすためには、3つのステップを踏む必要があります。
それが「ほぐす(マッサージ)」「伸ばす(ストレッチ)」「活性化させる(エクササイズ)」の3ステップです。
どれか1つだけをやっても、その後数十分〜数時間は多少ラクには感じるものの、すぐに凝りは戻ってきてしまいます。
大切なのは「3つすべてを順番に行う」ということです。
今回は「肩こり対処法」として、この「ほぐす」「伸ばす」「活性化させる」の3つを具体的にどのように行えば良いのかをお伝えします。
肩こりには3種類ある
実は「肩こり」と一言で言っても、原因別に大きく分けて3種類あります。
- 怪我・病気
- ストレス
- 生活習慣
例えば、もしあなたの肩こりが病気が原因によって起こっている場合、冒頭でも紹介したように、いくら大きく伸びをしてみたり、ちょっと肩を回したところで肩こりは改善しません。この肩こりを対処するためには病気を治す必要があります。
すなわち、あなたの肩こりを元から絶つためには、自分の肩こりはこの3つのうちどれが原因なのか?を見極めることが大切です。
「3種類ある肩こり」について、詳しくは「肩こりには3種類ある!原因別肩こり軽減方法【ストレッチも紹介】」の記事をお読みください。
肩こり対処法3ステップ
あなたの肩こりが大きな怪我や病気からくるものでなければ、ほぐす・伸ばす・活性化させる、の3ステップで確実に凝りがほぐれていくはずです。
「猫背改善3ステップ〜マッサージ・ストレッチ・トレーニング〜」の記事でも紹介したように、3ステップでは具体的に以下のことを行います。
- マッサージで硬直した筋肉をほぐす
- ストレッチでほぐした筋肉を伸ばす
- トレーニングでうまく働いていない筋肉を活性化する
まずは凝り固まってしまっている筋肉をマッサージでほぐします。硬いままでは筋肉はうまく働いてくれません。
続いて、ほぐした筋肉にストレッチをかけることで、縮こまっていた筋肉を元のニュートラルな状態に回復させます。
最後に、凝り固まった筋肉によってうまく働くことができなくなっていた筋肉を、トレーニングによって活性化させることで、肩周辺の筋肉がバランスよく整い、肩こりの解消につながっていきます。
【ほぐす】首・肩上部&胸上部マッサージ
筋肉が凝り固まった状態のままストレッチをしても、なかなかうまく伸びてくれません。同じく、筋肉が固い状態のまま運動やトレーニングを行うと、効率的に筋肉を鍛えることができず、怪我のリスクが上がってしまいます。
まずは固まってしまった筋肉を「ほぐす」ことから始めましょう。
マッサージ屋さんに行ってほぐしてもらうのも良いのですが、肩こりは普段の姿勢の悪さが原因で起こることが多いため、できれば毎日ほぐしたいので、セルフマッサージを覚えましょう。
時間が空いた時にパッとほぐすことができるように、テニスボールや野球ボールといったボールを使って、肩周りをセルフでほぐしていきます。
「首〜肩上後部」は、ボールと壁を使ってほぐします(上左画像参照)。
- 壁と肩〜背中でボールを挟み、身体を上手に動かしてボールを首〜肩上部まで持っていきます。
- 壁に軽く体重をかけながら、ボールで小さい円を描くようにして筋肉をほぐしていきます。
- 左右30〜60秒ほどずつ行いましょう。
続いて「胸」もほぐします(上右画像参照)。
1日中デスクワークをされている方のほとんどは、猫背のような姿勢になって肩が前に出ています。その姿勢では、胸の筋肉は常に短くなっているため、長時間同じ姿勢でいると、胸の筋肉は固まってしまいます。
- ボールと分厚い本や硬めの箱を用意します。
- ボールを軽く胸に押し付けるようにしながら、小さい円を描くようにして筋肉の凝りをとっていきます。
- 左右30〜60秒ほどずつ行います。
【伸ばす】胸&背中ストレッチ
筋肉をほぐした状態で「ストレッチ(伸ばす)」を行うと、筋肉はより伸びやすい状態になっているため、効果的なストレッチを行うことができます。
ストレッチを行って短くなった筋肉を元の長さに戻してあげることで、姿勢は整い、凝りが解消されていきます。
2つのストレッチはどちらとも、立った状態もしくは座った状態で行います。
まずは首・肩上部をストレッチしましょう(上左画像参照)。
- 両手を組んで胸の前に持っていきます。
- 両手を向こう側から誰かに引っ張られているようなイメージで、組んだ両手を胸から離していきながら、背中を丸めます。
- その状態でゆったりと呼吸を行いながら、30〜60秒ほどストレッチします。
呼吸は止めないようにし、吐く時間を吸う時間よりも長くすることで、よりリラックス状態を生み出すことができ、効果的なストレッチとなります。
次に胸をストレッチします(上右画像参照)。
- 首・肩上部のストレッチとは逆に、組んだ両手を腰の後ろに持っていきます。
- 痛みが出ない範囲で無理はせず、ゆっくりと組んだ両手を上に持ち上げ、胸を張っていきます。
- 呼吸は止めないようにしながら、リラックスした状態で気持ちよく30〜60秒伸ばしましょう。
【活性化させる】アームスウィープ&ソーラシックローテーション
最後に行うのが「活性化させる」です。
これは簡単に言うと「筋肉を使う」ということ。ほぐして伸ばした筋肉や、硬直していた筋肉が原因でうまく働いていなかった周辺の筋肉を動かして収縮させることで、血流が良くなり、新しい酸素や栄養素がその部位に運ばれてきて、老廃物を取り除いてくれます。
固まっていた筋肉がほぐれて、ストレッチをすることで筋肉の長さが元の状態に戻り、最後にその部位周辺の筋肉を使うことで、フレッシュな状態に戻るのです。
「アームスウィープ」は、胸をしっかりと開きながら、肩を大きく回すエクササイズです。
- 横向きに寝て、両脚の股関節と膝を90度に曲げて下半身を固定します。
- 肘を伸ばした状態で、大きい円を描くように腕を回します。
- 呼吸を止めず、動かしている腕の手を目で追うようにして、しっかりと胸を開きながら肩や肩甲骨周辺の筋肉を動かしていきます。
- 左右5〜8回ずつ行いましょう。
もう1つの活性化エクササイズが、肩や肩甲骨・背中周辺の筋肉を活性化させる「ソーラシックローテーション」です。
- 四つ這いの状態から、片手を頭の後ろに当てます。
- まずは背中を丸めるようにして、片方の肘を、身体を支えているもう一方の手に向かって動かします(上左画像参照)。
- 肩甲骨や背中の筋肉を使って、肘を天井側に持ち上げます(上右画像参照)。目線は持ち上げた肘に向けましょう。
- 呼吸を止めずに、肘を大きく動かすことを意識して、左右8回ずつ行いましょう。
まとめ
肩こり対処法として、ほぐす(マッサージ)、伸ばす(ストレッチ)、活性化させる(トレーニング)の3ステップをそれぞれ紹介しました。
「ほぐす」「伸ばす」「活性化させる」の3ステップを、この順番ですべて行うことで、筋肉は元の状態に戻りやすく、姿勢は整って、凝りがほぐれていきます。
朝起きた時でも、お風呂上がりや寝る前でも、できる方は仕事の休憩中でも、毎日5〜10分ほどの時間をとって、ぜひ3ステップを行ってみてください。毎日少しでも行うことで、徐々に筋肉の状態が良くなり、凝りにくい筋肉になっていきますよ。